「理学療法士として働きながら、もっとスキルアップしたい」
「将来のために、別の分野に挑戦したい」
このように考えていませんか?
一般的に理学療法士は専門性の高い仕事として安定しており、従来は定年までそのまま働き続ける方が大半でした。
しかし、近年は働き方やキャリアに対する価値観が変化し、転職を考える理学療法士も増えています。
一方で理学療法士の転職は、近年の養成校急増で難しくなってきている傾向です。
そこでこの記事では、理学療法士の転職に関する疑問を解消し、他職種も含めたセカンドキャリア例を紹介します。
理学療法士の方で転職について悩んでいる方は参考にしてみてください。
理学療法士の転職は難しい?
近年、理学療法士の転職は年々難化しています。高齢化社会の進展により需要は高まっている一方、養成校の増加によって供給過剰状態となり、2019年時点で供給数は需要数を上回っている状況です。
厚生労働省の推計によると、2040年頃にはその差はさらに広がり、供給数は需要数の1.5倍に達すると予想されています。
しかし、転職先や自身のスキルによっては、まだ十分にチャンスは存在します。
例えば以下のようなポイントが挙げられるでしょう。
- 介護福祉領域で働く
- 理学療法の専門スキルを身につける
それぞれ解説します。
介護福祉領域で働く
介護福祉領域ではリハ従事者の離職率が非常に高く、人員不足が深刻化しています。
厚生労働省のデータによると、介護福祉施設のリハ従事者の離職率は約18%であり、医療施設の10.2%と比べて高い数値です。
このことから、病院よりも介護福祉領域の方が転職しやすい可能性があります。
理学療法の専門スキルを身につける
特定の専門スキルを持つことで、転職市場での希少価値を高められます。
例えば、スポーツ医学に興味がある場合は、専門理学療法士である「スポーツ理学療法士」の資格取得を目指してもよいでしょう。
スポーツ選手のトレーニングやコンディショニングに携わる道が開かれ、転職市場での競争力を大きく高められます。
このように就職先や身につけるスキルによっては、理学療法士の転職は難しいながらも「まだまだ可能性はある」と言えます。
転職を成功させるために押さえておきたい3つのポイント
転職活動を成功させるために押さえておくべき、以下3つのポイントがあります。
- 転職目的を明確にする
- 事前に転職先の情報を集めておく
- 将来のキャリアについても考える
転職を成功させるためには、前章で紹介したように領域を選んだり、専門スキルを身につけたりすることも一つの方法です。
一方で、転職そのものの目的を明確にし、情報を確実に集め、将来のキャリアについて考えることも重要になります。
次節からそれぞれ見ていきましょう。
転職目的を明確にする
転職を成功させるためには、「なぜ転職したいのか」という目的を明確にすることが重要です。具体的には以下のようなものが挙げられます。
- スキルアップ
- 収入アップ
- ワークライフバランスの改善
- キャリアチェンジ
例えば、スキルアップを図りたいなら、積極的に院内研修会や学会参加・発表に取り組んでいる施設のほうが良いですが、ワークライフバランスの改善が目的なら他の施設を選ぶほうが良いでしょう。
また、キャリアチェンジを望む場合は、理学療法士としてではなく一般企業の求人も視野に入れて探す必要があります。
このように転職の目的によって、転職先の選択肢は異なるのです。
転職活動で重要な「志望動機」の考え方については、以下の記事でも解説していますので参考にしてみてください。
事前に転職先の情報を集めておく
転職を成功させるためには、事前に転職先の情報を十分に集めておくことも重要です。
情報が不十分なまま面接に臨むと、転職後にミスマッチを起こす可能性があるためです。
情報収集の方法には、求人サイト・転職エージェント・病院または施設のホームページ・ハローワークから集める方法が挙げられます。
いずれの方法も前節で述べたように転職の目的を明確にしておくと、情報の絞り込みがしやすいでしょう。
将来のキャリアについても考える
冒頭の「転職目的を明確にする」と重複する部分もありますが、将来のキャリアについて検討しておくことも重要です。
今後も理学療法士として病院や施設で働き続けるのか、あるいは違う業種や開業などのキャリアチェンジを考えているかで行動は大きく異なります。
特に他業種への転職を考えている方は、業界について事前に勉強したり、関連する副業を始めて実績を積んでおく必要があるのです。
【パターン別のセカンドキャリア例】理学療法士の転職先
転職では勤務先の病院や施設を変える「同業種」への転職が一般的です。
一方で理学療法士の免許を活かしつつも他の業種に転職したり、免許に関係なくまったく違う分野で働く他業種への転職もあります。
本章では以下の3つに分けて転職パターンを紹介します。
- 転職パターン①|理学療法士として他の病院や施設で働く
- 転職パターン②|理学療法士の資格を活かして「他業種」として働く
- 転職パターン③|ゼロから「他業種」として働く
それぞれのパターンと注意点を見ていきましょう。
転職パターン①|理学療法士として他の病院や施設で働く
最も一般的な転職パターンは理学療法士として他の病院や施設で働く方法です。
これまでの経験をそのまま活かしてすぐ働けるメリットがある一方、冒頭でも触れたように全体として飽和状態のため条件の良い求人は年々減る傾向です。
従って転職を決めたらなるべく早めに動いたほうがよいでしょう。
転職先探しには、内定まで専属のコンサルタントが無料でサポートしてくれる転職エージェントの活用がおすすめです。
転職パターン②|理学療法士の資格を活かして「他職種」として働く
理学療法士の資格や経験を活かして、他職種として働く転職方法もあります。
一例として以下のようなものが挙げられます。
- ケアマネージャー(介護支援専門員)
- 福祉用具専門相談員
- 保健所職員
ケアマネージャー(介護支援専門員)とは、介護が必要な高齢者や障害者の方が必要な介護保険サービスを受けられるように、ケアプランの作成や各事業者とのサービス調整を行う仕事です。
仕事を始めるためには、まず「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格しなければなりません。
ただし受験には、理学療法士として5年かつ900日以上の実務経験が必要です。
合格すれば、理学療法士の知識や経験を活かしながらケアマネジャーとして働けます。
福祉用具専門相談員は、福祉用具の利用が必要な高齢者に対して適切なものを選定する仕事です。介護保険法で定められた販売・貸与事業所で従事します。理学療法士の免許があれば試験を受ける必要はありません。
転職パターン③|ゼロから「異業種」として働く
理学療法士としての経験に関係なく、ゼロから他職種として転職するパターンもあります。
例えば、筆者はWebライター・ディレクターとしてメディアでの執筆や編集活動に携わっています。
私の場合は、幸い身近にライターとして活動する方がいたため、アドバイスをもらえましたが、一般的には完全な未経験から取り組むのは難しいでしょう。
従って、ある程度学習に投資は検討したほうがよいと思います。Webライターの始め方については別記事でも紹介します。
自分の興味ある分野がピンとこない方は、グッドポイント診断を活用して自分の強みを探してみるのもおすすめです。
まとめ:理学療法士の転職は早めの行動が大切
理学療法士の転職は需給バランスの関係から年々難しくなっていると言われます。
一方で、転職する領域を選んだり、理学療法士としての専門スキルを身につけたりしておけば、チャンスはあるでしょう。
転職を成功させるために目的を明確にし、転職先とのミスマッチを防ぐために事前に情報をよく収集しておくことも重要です。
転職パターンとして、理学療法士として他施設で働く以外にも、関連ある他職種で働いたり、ゼロから全く関係ない異業種に挑戦したりする方法もあります。
ただし、いずれの場合も早めの行動が大切です。まずは今後の働き方やキャリアについて改めて考えてみましょう。
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