【現役理学療法士が教える】例文あり!理学療法士の転職活動で重要な志望動機の考え方とは

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「新たな環境でさらに成長したい」
「理学療法士として違う分野も経験してみたい」

このように考える方はいませんか?

厚生労働省の推計によると、理学療法士は需要に対して供給が過多と発表され、転職活動は年々難しくなっているとも言われます。

しかしポイントを押さえて転職活動を行えば、まだまだチャンスは十分にあるでしょう。

この記事では、転職経験もあり現役の理学療法士である筆者が、転職時の志望動機の考え方や効果的に伝わる例文を紹介し、面接時ではどのように伝えればよいか解説します。

これから転職を考える理学療法士の方は、参考にしてみてください。

理学療法士の転職|志望動機は重要

理学療法士の転職活動では、志望動機が最も重要であり評価のポイントになります。

病院や施設は理学療法士の技術や知識はある程度備わっているのを前提とし、むしろ人物像(性格や価値観など)を志望動機から推し量るためです。

したがって、志望動機は形式的に書くのではなく、自分が転職先で理学療法士として働きたい理由を論理的かつ丁寧に記す必要があります。

転職先の理念や業務内容を理解した上で、自分の価値観との整合性をアピールすることが大切です。転職先の理念や業務内容は、公式ホームページや転職サイトでも調べられます。

例えば、東京都にある病院・施設では、公式サイトをもとに情報をまとめると以下のような特徴がわかります。

施設・病院名スローガン・理念など特徴
原宿リハビリテーション病院・手には技術
・頭には知識
・患者様には愛を
・回復期リハビリテーションとしては日本最大の病床数(332床)を有する
・地域の医療・福祉施設と連携し、誰もが利用しやすい回復期リハビリテーション病院を目指す
東京リハビリテーションセンター世田谷・“地域リハビリテーション・ケア体制”を構築します。
・地域社会と、地域環境との共生に努めます。
・グループの総合力を最大限に活かします。
・目の前の、一人ひとりを大切にします。
・つねに、さらなる向上に挑戦し続けます。
・リハビリテーション病院や介護老人保健施設、通所サービス(通所リハビリ・療養通所介護・デイサービス)、訪問看護、ヘルパーステーションなどをもつ

・大規模複合施設医療福祉連携のパイオニア「南東北グループ」が運営

転職先の情報を踏まえた上で、自分の言葉で志望動機をまとめましょう。志望動機に具体性が生まれ、転職先で自分ができることを効果的にアピールできます。

理学療法士の転職は、供給が需要を上回っていることから、年々難しくなっています。そのため、志望動機は他の応募者と差をつける重要なポイントになるのです。

理学療法士の転職活動を成功させるためのポイントは、以下の記事で解説しています。参考にしてみてください。

次章では、志望動機の書き方のポイントと例文を解説します。

志望動機を考える上でのポイント

志望動機を作成するにあたり、以下の3つのポイントを押さえる必要があります。

  • 自己理解|自分自身を振り返る
  • 目標設定|過去の経験と今後の目標を明確にする
  • 企業研究|転職先の業務内容を把握しておく

まず「自分自身を振り返る」ことが必要不可欠です。なぜ理学療法士を目指したのか、どのような分野に興味があるのか、自身の長所・短所は何か、といった自己分析を通じて動機の土台を固めましょう。

次に、過去の経験と今後の目標を明確にしましょう。例えば、運動部での経験からスポーツ医学に興味を持ち、そこで培った技術を生かして患者の機能回復を支援したい、といったストーリー仕立ての内容は説得力があります。

さらに転職先の業務内容を把握することで、自分の目標と企業の方向性が一致していることを示しましょう。

志望動機は抽象的な表現は避け、できる限り具体例を用いた記述を心がけます。また、熱意や意欲といった気持ちの表出も大切な要素になります。

【例文で紹介】効果的な志望動機とは?

本章では、転職先や自身の目標、知識、経験に合わせて、志望動機の例文を紹介します。パターンに分けると以下の3つです。

  • 専門性や技術を活かす例文
  • キャリアアップ志向の例文
  • 患者様の生活の質向上を目指す例文

それぞれの例文とポイントを見ていきましょう。

専門性や技術を活かす例文

転職先が求める高度な専門性に対して、これまで積んできた自分の知識・経験を患者のために活かしたいという思いをアピールしましょう。

例文は以下の通りです。

例文

貴院では理学療法士の専門性を最大限に活かし、脳血管疾患や神経疾患などを対象とした高度なリハビリテーションを実践していることに大きな魅力を感じています。特に脳卒中後遺症の自立支援は私の関心事であり、神経筋電気刺激療法(EMS)やロボットスーツを使った先進的アプローチにも精通しています。これまで脳卒中患者様のリハビリに携わる中で培った経験と技術力を貴院で存分に生かし、患者様一人ひとりの機能とQOLの向上に尽力したいと考えています。

高度先進医療を推進する大学病院や特定機能病院などを志望する場合に適しています。

特に脳血管障害や神経難病領域に特化し、ロボットスーツやVRゲーム治療など最新機器を駆使したリハビリテーションを提供している病院では、理学療法士にも高度な知識と経験が要求されます。

脳卒中後遺症をはじめとした神経疾患のリハビリテーションに実績があり、高度医療機器の操作経験があればアピールできるでしょう。

転職先の業務内容や自身のキャリアに合わせて、具体的に記載するのがポイントです。

キャリアアップ志向の例文

自己研鑽に意欲的に取り組み、キャリアアップしたい意思を積極的にアピールする場合の例文です。

例文

貴院では理学療法士の育成に力を入れており、積極的な研修派遣や専門医との密な連携体制も整えていると拝見しました。私は常に新しいエビデンスに基づいた知識・技術の習得に努め、理学療法士として確かな成長を遂げたいと考えています。貴院のもとで先輩方と切磋琢磨しつつ技能向上を図り、高度なマネジメント力も身につけられればと思っています。そうした経験を生かして、部下の育成にも力を注ぎたいです。

専門医や他職種との連携によるチーム医療を推進し、理学療法士の育成にも力を入れている病院では、積極的な研修派遣やOJTを通じてスキルとキャリアを磨く機会が得られます。

指導力の獲得という目標も併せて訴求することが大切です。

教育研修制度が整備された病院や急性期の中核病院など、積極的に研修会への参加やキャリアアップを支援する転職先の場合は、以上のような例文を参考に自身の言葉でアピールしてみてください。

患者様の生活の質向上を目指す例文

患者様のQOL向上を重視する病院・施設を志望する際には、以下のような例文が考えられます。

例文

理学療法士を目指した原点は、疾病や障害で制限されがちな患者様の生活の質や幸せを向上させることにありました。貴院では患者様一人ひとりのニーズに寄り添い、自立支援や社会参加の実現を重視されていると拝見し、私の思いと共通する部分が大きいと実感しました。これまで脳卒中後遺症の方々と向き合う中で、彼らの置かれた環境や価値観に合わせた関わりの大切さを学びました。貴院でこれらの経験を活かしつつ、利用者満足度の一層の向上に微力ながら貢献していきたいと考えています。

地域包括ケアや生活期リハビリテーションを推進している病院では、患者様一人ひとりの生活環境や価値観を把握し、自立支援に向けた個別最適なケアプランを立案することが求められます。

したがって、脳卒中や神経難病など生活期の患者様との関わりが豊富な理学療法士が、自身の経験と志望動機を上手くつなげてアピールできれば、採用側に好印象を与えられるでしょう。

転職面接で志望動機を伝えるコツ

転職時の面接において志望動機は自分の個性や魅力をアピールできる機会のため、正確に伝える必要があります。

面接官は志望動機から応募者の「人となり」「価値観」を見極めるため、採用可否に大きく影響するためです。

そこで以下の3つのポイントを押さえておき、面接官に好印象を残すことが大切です。

  • 自分の言葉で具体的に伝える
  • 過去の経験とのつながりなどを例示しながら前向きな姿勢を示す
  • 必要に応じて身振り手振りを交えて視覚的に訴えかける

それぞれ見ていきましょう。

自分の言葉で具体的に伝える

理学療法士の転職面接では、自分の言葉で具体的に志望動機を伝えることが大切です。定型句や抽象的な表現では、面接官には伝わりません。

これまでの臨床経験から感じた課題や改善点を洗い出し、具体的なエピソードも交えながら伝えましょう。

例えば、以下のような例が挙げられます。

伝え方の例

「以前の病院では理学療法士同士の連携不足から、脳卒中患者のリハビリ計画が本人のニーズとかけ離れることがしばしばありました。そこで、理学療法士の専門性が活かされ、患者中心のリハビリが徹底されている貴院に魅力を感じ、転職を志望しました。これまでの経験を活かして、質の高いチーム医療の実践に貢献したいです」

面接官はたくさんの応募者を見ているので、自分の臨床経験と転職後の抱負をうまく結びつけ、熱意を前面に出すことが大切です。過去の出来事と現在の思いを自然な流れでつなげる力が求められます。

過去の経験とのつながりなどを例示しながら前向きな姿勢を示す

志望動機が自分にとってどのような意味があるのか、過去の経験や具体的な事例とのつながりを示しながら、自己分析に基づいて追加で説明を行うことも効果的です。

例えば以下のように伝えられます。

伝え方の例

「現在の職場では、理学療法士間の連携不足や上司の理解不足などの課題があり、専門性を十分に発揮できない環境にあります。その反省から、理学療法士の専門性が最大限生かされる職場を求めるに至りました。貴院では理学療法士の専門性が重視されており、研修体制も整っていることが魅力的だと感じました。私は神経筋疾患のリハビリテーションに強みがあるので、その専門性を貴院で発揮し専門職として成長できればと考えています。今後も理学療法士として切磋琢磨し、患者さんの生活の質向上に貢献していきたいと考えています」

過去の体験と将来の目標を繋ぐエピソードを示すことで、志望動機の真摯さと自分らしさが伝わるでしょう。

注意点としてトラブル経験のようなネガティブな内容は、そのまま伝えるとマイナスな印象になります。

一方で、トラブルから学んだ経験や成長を伝え、前向きな姿勢を強調できればプラスの印象に変えることも可能です。

必要に応じて身振り手振りを交えて視覚的に訴えかける

必要に応じて身振り手振りを交え、視覚的にも訴えかけることで、熱意や意欲をより強くアピールできます。

以前の職場で「患者中心のリハビリテーションの大切さを実感した」という経験を述べる際を例に挙げます。

「患者の表情や声を思い出して…」と前置きした上で、実際に患者をイメージした表情やジェスチャーを交えて話すことで、伝わりやすくなります。

表情やジェスチャーなどの非言語要素を活用すると、言葉だけでは伝えきれない情感を効果的に伝えられるでしょう。

まとめ:理学療法士における転職成功のカギは志望動機

理学療法士の転職活動では、志望動機が採用可否に大きな影響を与えます。

知識・技術だけではなく、性格や価値観といった人物像が問われることを理解し、自分の言葉で内容を具体的に記載することがポイントです。

また面接では、過去の経験と目標を結びつけたり、身振り手振りを使って訴求したりするなど、自分らしさをアピールすることを心がけましょう。

志望動機作成は決して形式的なものではなく、自分と企業の価値観の一致を訴求することが求められます。理学療法士としての原点を振り返り、より良いケアの実現への思いを表現することで、面接官に好印象を与えられるはずです。

この記事を書いた人
小太郎

こんにちは!
現役理学療法士(20年目)の小太郎です。数回の転職を経て、現在は老人保健施設で働いています。
また40歳から副業としてWebライターを開始。3年目の現在はディレクターとして複数のメディアを担当させていただいています。
このブログでは、そんな私の転職経験や副業の知識を共有できればと思います。
共に理学療法士として新しいキャリアの可能性を探っていきましょう。

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